お母さん、お母さん。もっともっと、甘えたかった

母親のこと
俺には、3つ違いの弟がいた。

母は「お兄ちゃんだから我慢しなさい」なんて一言も言わなかったと思う。

でも、甘えるの我慢してた記憶はたくさんある。

3歳ながらに「弟はまだ赤ちゃんなんだから」って思ってたんだよなぁ。

親父は出張が多くてほとんど家にはいなかったな。

俺が小学生なって初めての運動会の朝、母は満面の笑みで

「ゆう君(俺)がんばってね!お母さん、かずちゃん(弟)とお弁当持って見に行くからね!」

って、送り出してくれた。

その満面の笑みは、今でもすぐに思い浮かぶ。


しかし、それが俺が聞いた母の最後の言葉だった。


母は自転車の後ろに弟を乗せ、カゴには俺の大好きなものばかり詰まった弁当を乗せて、俺の始めての運動会を見に行く途中、信号無視したトラックにはねられた・・・。

小1の頃の記憶は、ほとんどない。


「お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。」

もっともっともっともっともっと、甘えればよかった。

弟が乳を飲んでいる時にも、「もう片方のひざはぼくのモノ〜」って甘えればよかった。

もっともっと、甘えたかった。

甘えたかった・・・・。


あれから20年。

今日の午前2時55分、俺は親父になりました。


俺は、嫁と娘を全力で一生守ります。

誓います。

お母さん、かずあき、どうか天国で見守っていてください。

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