16年前の手紙

16年前の手紙

私の父は13年前に亡くなりました。

その頃私は10代で後先考えずバカな事ばかりし て、家出をし、母も父と仲が悪く別居…。

亡くなる前の一年間は、お父さんは独り。

成人式に出ようと久しぶりに帰り、お父さんに 会った。

お父さんは凄く痩せていた。 病院に行くようにお母さんとすすめた。

数日後電話で話した。 お父さんは病院行ったって嘘ついた。

この時自分でも分かっていたのかもしれない。

それから二ヶ月後、その日はやたらと非通知で電話がきていた。

その後、お母さんからの電話。

「すぐに家に帰りなさい」 と言われ、帰るとお父さんが救急車で運ばれた と。

慌てて病院へ行くと全く動けなくなってしまった お父さんが居た。

余命半年。

全身に癌が転移し、腰の骨にも転移して骨が砕け てしまっていた。 あの非通知の電話はお父さんだった。 私やお母さんに助けを求める電話だった。

昔から機械音痴なお父さん。

肝心な時に非通知設定。

次の日の診察余命1ヶ月になった。

今までの事凄く後悔した。

ひたすら後悔した。

それから、お父さんは亡くなるまで二週間、痛みに耐え頑張った。

家族三人で毎日一緒にすごした。

今までの分を取り戻すかのように三人で出来るだけ笑顔で。

父の会社の上司に引継ぎする時、病室で必死に起き上がろうとしたお父さん。

入院する前日まで朝から夜遅くまで仕事していたお父さん。

みんな、私のため。

私が好き勝手できたのもお父さんのお陰。

バカで無知な私。

葬儀の日、お父さんの財布からボロボロの紙が出 てきた。

私が小学校で父の日に書いた作文だった。

16年ずっと持っていてくれた。

涙が止まらなかった。

本当にバカな娘でごめん。

ありがとう、お父さん。

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