高いエプロンだけど

高いエプロンだけど

社会人になって初めて迎えた母さんの誕生日。 「いつもありがとう」ってプレゼントを渡したかった。 でも照れくさいし、もし選んだプレゼントが気に入ってもらえないと怖かった。

だから「選ぶのめんどいから」って嘘ついてデパートに連れて行って、 「何でもいいから適当に買えよ」とぶっきらぼうに言うと、 「高いエプロンだけどいい?」とおずおずと見せに来て、値札見たらたった3000円。 「こんな安物かよ」とひったくって後ろ向いて、泣きそうな顔を見られないようにレジに走った。

服でもバックでも、ほかに何でもあるだろ、 財布の中に給料全部入れてきたんだぞ!って涙が出たけど、 トイレで急いで顔洗って、そ知らぬ顔で袋を渡した。

そしたら、母さんがうれしそうにそれを抱きしめたのを見て、また泣きそうになった。

いまでも帰るたびにそのエプロンつけて飯作ってくれて、ありがとう。 ほんと美味いよ。世界一だ。 いつも素直になれなくてごめん。マザコンでもいいよ、母さん大好きだ。

おすすめの泣ける話

twitterリンク facebookリンク
Page TOPへ