結婚前夜【お父さん、お母さん、今までありがとうございました】

結婚前夜【お父さん、お母さん、今までありがとうございました】

結婚式を数日後に控えたある日のこと、私は初めてネイルサロンというものに行きました。

普段ネイルはしないのですが、人生に一度の晴れ舞台、ネイルぐらいしてみようという気になりました。

ネイルは爪のお手入れからストーンまで入れて、結構時間がかかりました。

手をずっと施術してもらっているので、ネイリストさんとの話も花が咲きました。

そんな中で、両親へのあいさつはどうするのかという話になりました。

両親へのあいさつとは結婚式の朝に「今までお世話になりました」と親に頭をさげる、あの挨拶です。

私は実家が遠方のため、両親は挙式をするホテルに前夜から泊まることになっていました。

高校卒業後からずっと家を出ているし、一緒に住んでいるわけでもないし、前日はホテルだからする予定はないと私は答えました。

ネイリストさんは「あらー、残念ね、意外とするといいものよ」と軽く言っていました。

その時は『そうなのか』としかか思っていなかったのですが、だんだん気になってもきました。

そうして迎えた結婚式当日、結婚式のリハーサルも無事終わり、夜はそれぞれの部屋で休んでいました。

私たちも準備などのため、ホテルに泊まっていたのです。

夜になって連絡事項があったことを思い出して、私は両親の部屋に向かいました。

会うのも久しぶりだったので、部屋でたわいもないことを談笑していたそのときです。

私は急に正座をしました。

「お父さん、お母さん、聞いてよ・・・・。」

私が話し始める前に、お父さんが泣き顔になっていました。

お母さんも顔がくしゃくしゃでした。

言う前から何が始まるのか、両親もわかったのだと思います。

そして口に決して出さなかったけど、両親がずっとずっと言葉で感謝を伝えられる日を待ち望んでいたのだ、ということもわかりました。

「お父さん、お母さん、今までありがとうございました。」

やっと、言えました。

でも私が正座しているのはベッドの上だし、お父さんはステテコ姿だったし。

何だか想像していたのとは全く違うシチュエーションではありました。

でも、誰もが泣いていました。

形なんて、どうでもいい。

ただただ感謝を伝えられて、本当によかったです。

全然、両親に挨拶することは考えていなかったので、きっかけをくれたネイリストさんに感謝しています。

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