本当は、あの味噌汁食いたかったんだ

本当は、あの味噌汁食いたかったんだ

昨日の朝、女房と喧嘩した。というかひどいことをした。

原因は、夜更かしして寝不足だった俺の寝起き悪さのせいだった。

「仕事行くの嫌だよな」とか呟く俺。

そこで女房が何を言っても俺は切れただろう。前例もあったし。

あいつもそれを良く知ってるから何も言わなかった。

それも分かってたけど、なんだか馬鹿にされてるような気もして、八つ当たりしてしまった。

すごく美味そうだったのに、せっかくあいつが作ってくれた味噌汁もおかずも全部ぶちまけて暴言を吐いてしまった。

あいつは泣きながら残りの味噌汁の鍋を流しに捨ててた。

ものすごく後悔したけど、用意してあった弁当も持たず、虚勢をはったまま謝りもしないで俺はそのまま会社に出掛けてしまった。

夜になって、気まずい思いを抱きながら帰宅した。

もしかしたら女房は実家に帰ってるかもしれないと内心不安だった。

が、部屋の灯りはともっている。しかもなにやらいい匂いもする。

思い切ってドアを開けると、女房は俺の好物のビーフシチューの鍋を抱えて出迎えてくれた。

「これで仲直りしよう」と笑顔で。

俺の方こそ、朝のお詫びに気の利いた土産の一つや二つ買って来るべきだったのに。

もう、自分の勝手で女房に八つ当たりをしないようにしようと心に誓った。

本当は、あの味噌汁食いたかったんだ。

俺は。

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